神奈川県の中高一貫校の偏差値ランキングと各学校の特徴をまとめます。志望校決めの参考にしてください。神奈川県には2016年現在4校の中高一貫校があります。
神奈川県の公式ホームページにはきちんと試験のことや情報が掲載していますので参考にしてもよいと思います。
中高一貫教育校の種類
(1)中等教育学校
一つの学校として、6年間一体的に中高一貫教育を行う。
公立の中等教育学校の入学については、学力検査は行わず、それぞれの学校の特色に応じて工夫する。(2)併設型の中学校・高等学校
同一の設置者による中学校と高等学校を接続する。
公立の併設型の中学校への入学は、中等教育学校と同様の方法で行う。
(※ 現在、神奈川県立の併設型の中高一貫教育校はありません。)(3)連携型の中学校・高等学校
異なる設置者による中学校と高等学校が教育課程の編成や生徒間・教員交流等の連携を深める。
連携型の中学校から高等学校への入学については、面接、実技等の簡便な方法で行うことができる。
このサイトでの偏差値は大手塾の平均偏差値を元に掲載しています。
1.横浜市立南高等学校・附属中学校 偏差値59-60
URL:http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/hs/minami/jhs/
住所:〒233-0011 神奈川県横浜市港南区東永谷2-1-1
特徴
前身である横浜市立港高等学校が開校されたのは1954年で60年弱の歴史ある学校です。2012年より横浜市立南高等学校・附属中学校とし、中高一貫校になりました。
倍率
ここ数年は倍率が7倍台に落ち着いてきました。横浜唯一の中高一貫校であるため非常に人気です。
募集定員 | 志望者数 | 受験者数 | 合格者数 | 競争率 | 合格者内数 | |||||||||||||||
横浜市内 (学区内) |
横浜市外 (学区外) |
|||||||||||||||||||
160 | 1,304 | 1,250 | 160 | 7.81 | 149 | 11 | ||||||||||||||
内 数 |
男 | 563 | 536 | 73 | – | 69 | 4 | |||||||||||||
女 | 741 | 714 | 87 | – | 80 | 7 |
国語・数学・英語の授業が毎日ある
中学1年から高校1年まで国語、数学、英語の授業が毎日あります。通常の公立学校に比べてかなりの時間(累計385時間増加)中学3年間で学びます。英語に関しては、AETと呼ばれる日本人の英語教師とチームで授業を行う外国人講師が常勤しているため、本場の発音、考え方、コミュニケーションの取り方を学ぶことが可能です。
土曜日授業ももちろんある
月に1度、各教科の補習があります。補習だけでなく発展的な授業も展開されることもあります。
EGGが最も有名
神奈川県の中高一貫校だけでなく、都内の中高一貫校、普通の公立学校でも近年、文部科学省の指導により総合的な学習の時間というものが設けられています。
総合的な学習の時間は、変化の激しい社会に対応して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てることなどをねらいとすることから、思考力・判断力・表現力等が求められる「知識基盤社会」の時代においてますます重要な役割を果たすものである。
EGGとは、Expleore さがす (学びの追究、課題さがし)、Grasp つかむ (自己の可能性の発見、他者との学びによる確かな理解)、Grow のびる(最終的な人間性の成長)を指します。
交流体験も多くあります。
プロジェクトアドベンチャー足柄(1年生)
入学してからわずか一週間後、足柄の自然の中で研修を行います。クラス全員で多く課題に取り組むことで入学してからすぐにクラスメイトと打ち解けることもでき、まとまることの大切さを学ぶことができます。
ゼミも積極的に開かれます
例えば、2015年には読売新聞社の記者が教壇にたち、インタビューの仕方を指導をしました。ただインタビューの仕方を授業で学んで終わりではありません。実際に生徒ではない大人たち、NPOのボランティアや保護者を招き、インタビューを実際にしてみる体験をしています。
企業訪問
通常の公立学校の場合、社会科見学というくくりで企業訪問をすると思いますが横浜市立南高等学校・附属中学校ではもっと密接に社員の方と触れ講座を受けます。例えば、2015年には、みなとみらいにある(株)日揮企業に出向き海外企業の説明や、外国人社員との交流を行い、グローバルな考え方を学びました。仕事の際に使用する「3D CAD」の体験も行いました。
その他にも様々なEGG講座があります
上にあげた以外も年間を通していくつものEGG講座があります。富士通のパソコンを分解する授業や横浜の動物園での飼育員体験、TBSの社員を迎えてのニュース番組の作り方など、普段では体験できないことが横浜市立南高等学校・附属中学校ではできるのが特徴、強みと言えるでしょう。
「私の週プラン」で家庭学習を支える
学校では、私の週プランというシートが配られます。どのようなべ勉強をすべきか、どう予習、復習を行うかの指導はもちろんですが、生徒自身で勉強の進捗を管理する能力を身につける意味もあります。
画像引用:http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/hs/minami/jhs/tokushoku.html
アクセス
私鉄
- 京浜急行線・横浜市営地下鉄ブルーライン線「上大岡駅・港南中央駅」よりバス
2.神奈川県立相模原中等教育学校 偏差値56-58
URL:http://www.sagamihara-chuto-ss.pen-kanagawa.ed.jp/
住所:〒252-0303 神奈川県相模原市南区相模大野4-1-1
特徴
かなり新しい学校で、2009年に開校している学校になります。しかし初年度(6年間終えた生徒)となった2015年、早くも東大4名、京大3名、東工大6名、一橋4名を輩出しています。これは初年度の成績としては十分すぎる結果です。早慶上智の難関大学も数十人合格しており、都立の中高一貫校と比較しても大分上位な成績を叩き出しているのは間違いありません。
今後数年で私立中学と比較しても上位に食い込んでくる学校になると予想します。中高一貫校に通う生徒の特徴としては学費の面でも国公立を希望する生徒が多いのも特徴です。横浜国大や首都大学東京、東京外大、東京農工大、電通大、東北大、九州大にも合格者を輩出しているので、今後楽しみな学校と言えるでしょう。
体験活動充実
中高一貫校の特徴として、ほとんどの学校が体験活動を授業に取り入れていますが、相模原中東教育学校でも、体験活動が充実しています。1年生では、出張講義があり、社会人を招き、「働くこととは?」「仕事とは?」の授業が開かれます。
生徒が出向く、事業所見学も1年生の時にあり、出張講義で学んだ職業の実際の工場等を見学し理解を深めます。2年制になると農業体験もします。日帰りではなく農業を営んでいる方のご自宅に民泊するという経験をし、朝早く働くことの大変さ、農業の理解を深めていきます。
探求活動
生徒自身で課題を決定することができる自由度があります。情報の集め方はもちろん、課題をクリアするために、どのような調べ方をしたらよいのか、レポートをどのようにまとめたらよいのか、過去の資料を元に学べることができます。
報告発表会もあるので、報告の方法や質疑応答の対応の仕方なども学んでいきます。
大学合格者による進路講演会
卒業生自ら教壇に立ってどのように受験勉強に望むべきかなど学ぶ機会があります。教師が教えるわけではなく卒業生が効率的な勉強の仕方や、復習の仕方、予習の仕方、学校の授業の取り組み方を直接教えてくれるので非常に参考になります。
アクセス
私鉄
- 小田急線「相模大野駅」より徒歩10分
3.神奈川県立平塚中等教育学校 偏差値53-54
URL:http://www.hiratsuka-chuto-ss.pen-kanagawa.ed.jp/
住所:〒254-0074 神奈川県平塚市大原1-13
特徴
平成21年4月1日に開校した学校になります。2学期制を採用しており、45分7校時を基本とした授業形態でになっています。
学校目標が毎年開示されますので、志望する場合は必ず見るようにしましょう。
国語・数学・英語を基本的に毎日学習
国語、数学、英語は大学受験を見据えて、中学1年生から毎日学習するカリキュラムになっています。
3Lを教育テーマに掲げ、生徒の力を伸ばす
生きる(Live) ~深い洞察と鋭い感性~、慈しむ(Love) ~高い志と豊かな人間性~、学ぶ(Learn) ~幅広い教養と光る知性~を教育テーマにしています。
学校行事が活発です
学年ごとにご紹介します。
1年生には、三浦オリエンテーション合宿、県内の農林水産業訪問、相模人形ワークショップの活動があります。三浦のオリエンテーションでは、入学したばかりの生徒が打ち解けるための体験学習にもなります。ウォークラリーや、カレー作りなど協力して1つの目的を達成します。
2年生には、鎌倉歴史探訪、県内の工場見学、イングリッシュキャンプなどがあります。3年生では、東京での大学・博物館訪問、広島・奈良・京都研修旅行などが控えています。中学卒業後の4年生では、東京見学・歌舞伎鑑賞、勉強合宿があり、費用はかかりますが希望者はイギリス語学研修にも行くことができます。5年生になるとグアム研修旅行もあります。
近年、中高一貫校では海外への語学研修が当たり前になっています。平塚中等教育学校でも同様な傾向にあります。大学受験を控え進路の選択を考える5年生では大学の模擬授業があります。早稲田大学、慶応義塾大学、横浜国立大学、横浜国立大学大学院、星槎大学大学院の実際の授業を受けることができます。
通常高校2年生ではこのような環境は与えられないのが普通ですので、大きなチャンスです。
アクセス
JR
- 東海道線「平塚駅」北口より7番乗り場の神奈中バス【平88~平94系統】行に乗車し「共済病院前総合公園西」下車 徒歩7分
私鉄
- 小田急線「伊勢原駅」南口より1・2番乗り場の神奈中バス【平89~平91・94系統】行に乗車し「中原下宿」下車 徒歩7分
4.川崎市立川崎高等学校・附属中学校 偏差値未定
URL:http://www.kaw-s.ed.jp/jh-school/
住所:〒 210-0806 神奈川県川崎市川崎区中島3-3-1
特徴
2014年に川崎市初の中高一貫校として開校しました。市立川崎高等学校を全面改築して「併設型中高一貫教育校」として誕生しました。新設校のため偏差値はまだ出しづらい状況になっていますが、相模原中等教育学校のように新設校でも優秀な生徒の入学が多くなれば、難関校になってくる可能性があります。
3つの柱
3つの柱を教育理念を掲げています。1つの目の柱が体験・探求です。「枝豆」などの種まきをして農業を経験します。2つ目の柱はICT活用です。すべての教室に電子黒板のプロジェクターや、パソコンを設置しています。通常の黒板の授業ではないため分かりやすい授業が行われているのが特徴です。最後の3つ目の英語・国際理解では、イングリッシュキャンプが開かれます。ネイチャー講師陣と一緒に英語漬けの授業が展開されます。1年生の時は通学ですが、2年生になると宿泊も行うので、より実践的な英語、国際交流を行います。
LEADタイム
総合的な学習の時間で、「LEADタイム」があります。生徒同士で考えなければ解けない問題、通常の問題
PCを使ったe-ラーニング
毎日、朝と放課後に5教科をバランスよく学習します。15分間だけでも毎日学習すること基礎学料の向上につとめています。
アクセス
私鉄
- 京浜急行大師線「港町駅」より徒歩10分
JR
- 東海道線・南武線「川崎駅」より徒歩20分
- 東海道線・南武線「川崎駅」より14番乗場から10系統「水江町」行き、または「塩浜」行きで「市立川崎高校前」下車
- 東海道線・南武線「川崎駅」より15番乗場から13系統「扇町」行き、または15系統「小田栄循環」行きで「市立川崎高校前」下車
5.【新設予定】横須賀市立横須賀総合高校 偏差値未定
URL:http://schoolnet.edu.city.yokosuka.kanagawa.jp/schoolnet/highschool/301sougou/index.html
住所:〒239-0831 横須賀市久里浜6-1-1
特徴
2017年より中高一貫校を予定しています。横浜地域の方でも通える場所にあるため新設してから人気がでる可能性があります。横須賀という利便性がある地域のため2017年以降、横浜/横須賀地域の志望校の検討候補になります。
アクセス
JR
- 横須賀線「久里浜駅」徒歩11hun
まとめ
東京都の中高一貫校に比べて約半分しかありませんが、2016年には約4000人弱の志望者数がありました。横浜市立南高等学校が県内ではトップを維持していますが、今後は記載した通り相模原中等教育学校の躍進も素晴らしいものがあるため将来どのような順位になっているのか予想はできません。県内の中高一貫校は出願率は5%前後となっています。私立出願と併願しているケースも多いため、相模原中等教育学校と南高等学校は、合格者数が少し多いのも特徴です。
2017ランキングの偏差値欄に相模原中等が二つあります。
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。相模原中は昨年に比べて偏差値があがってきたため二重記載になっておりました。ミスがないよう気をつけていきたいと思いますが今後とも気になる点がございましたらお気軽にコメントをいただければと思います。
「桐蔭学園中学校・中等教育学校」とありますが、それぞれの学校は、例えば日能研R4偏差値(男子)で14〜15も違います。ひとくくりにするのは、無理があると思います。
refさんコメントありがとうございます。確かにおっしゃる通りです。各中学でも選抜クラスなどで大分変わってくるのもご存知かと思います。そのため今回のまとめでは平均値という形でまとめさせていただいております。より正確な数値をどのように出すのか今後の検討材料にさせていただきます。貴重なご意見誠にありがとうございます。
南高附属中の[EGGが最も有名]で「ECGとは…」なっています。
単純な誤記かと思います。
ご指摘ありがとうございます。修正を致しました。ミスがないよう記事をご提供できるよう努めさせていただきます。